永遠の2歳児

妹ちゃん2年ぶりの東京帰省

お台場の海

こんにちは。疲れが抜けない姉ポです。
CdLSで最重度知的障がいをもつ妹の成年後見人をしています。

初めての東京帰省から2年、妹ちゃん2度目の東京帰省を決行しました
今回は、福祉関係の面談などはなく、ただただ遊んであげる旅行です。

昨年12月に宗像大社とその周辺でランチ、今年は5月に木下サーカスへ連れていってくださったようです。とはいえ、コロナ禍以降、入所施設からの外出も少なくなったように思います。

まずは、東京での妹ちゃんの様子を備忘録として。
最後に、一緒に過ごして気がついたことを考察しておきます。

 

入所施設から東京の姉ポ宅までの大移動

妹ちゃんが住んでいる入所施設は、北九州市内ではあるものの直方市に近い場所にあります。

以前小倉駅からタクシーに乗ったところ片道8千円程かかったので、今回は初めての在来線の乗り継ぎを計画していました。

そのような中、姉ポが参加した家族会総会で、妹ちゃんの同級生の叔母さんと再会し、ご親切にも東京へ向けて出発の日に施設から小倉駅まで送ってくださることになりました!

小倉駅まで2時間近くの余裕をもって計画していたので、車で40分ほど、めちゃ速やかに到着。
それでも、駅前コンコースで少し歩く練習をさせたのち、列車内で食べるもの・飲みものをちんたら購入、お手洗いを済ませて新幹線に乗り込んでちょうどいい時間でした。

小倉駅北口コンコースで

妹ちゃんが車椅子に乗っているせいか、駅職員の方、周囲のお客様も協力的だという印象。
跛行でモタモタするよりも、わかりやすい障害ということかな。

今回姉ポは、ガイドヘルパーの証明書を身につけていくことにしました。
普段は駅職員の方が車椅子をひいてホームまで連れていってくださいますが、新幹線構内はわかりやすいし必要を感じでいませんでした。
証明書をつけていると案の定「ホームまでは行けますか?」と確認されましたので、列車に乗り込む際のみ協力をお願いしました。

 

列車内での5時間弱

のぞみの多目的室

今回、上り(東京行)ではのぞみの多目的室を予約してみました。
2年前は上りの列車内で興奮してしまい落ち着きがありませんでしたが、今回はのれんに腕押し、お地蔵さんのようにじっとしている。

飲みものは大好きなカフェラテと服薬用に水を準備していましたが、どちらを飲むかと聞くと「水」を指差す。
トイレに行くかと聞くと「イヤ!」と拒否。
何も食べず、過剰に飲みものを欲することなく、機嫌は良くない様子です。

その理由は名古屋を出たあたりに判明しました・・・

おむつの中が盛大に汚れていました。

姉ポ
不機嫌になるのではなくちゃんと教えなさいッ!
のぞみの多目的室でシュンとなる

怒られてシュンとしてる(笑)

東京駅には姉ポのパートナーが迎えに来ており、大好きな車に乗って初日の大移動は終わりです。

 

ドライブ三昧

梅雨入り直前お天気に恵まれる

「妹ちゃんが来る!」
はりきった姉ポのパートナーは仕事の休みをとって待ち構えました。
というのも、天気予報では妹ちゃんの滞在時期が雨天となっていたため、どこで晴れるか(曇りでもいい)わからないものの期待を込めて3日間の平日を全て休んでくれたのです。

2年前に営業時間を見誤って、BBQを食べたらすぐ閉園だった『東京ドイツ村』をリトライしたいと考えていました。
ハイ、晴れ

天気だったら是非にと考えていたビーチ。
ハイ、照りつける晴れ

ほどよい距離感の場所を考えた末の横浜。
ハイ、まさかの晴れ

彼女の滞在中、全ての日が天気に恵まれました
妹ちゃんを施設に送り届けたあと豪雨になりましたが・・・

 

『お台場』にて

お台場海浜公園』のビーチに連れて行きました。
昨年目の手術をして見えるようになったから、ザ・東京!の綺麗な景色を見せたい
と、パートナーからの提案があったからです。

自宅から車で数分の場所ですが、妹ちゃんがドライブが好きなので東京ゲートブリッジを通ってしばらく走ってから向かうことになりました。

姉ポ
姉ポは長距離往復のあとですよ
ふらふらです

大好きなラーメン

1時間ほどかけてお台場につき、まずは妹ちゃん待望のラーメン
最近なぜかラーメンのことを思い出したようで、施設でもテイクアウトでチルドのラーメンをカゴに入れたのだそう。

車椅子を考慮し行ったのは昼食ピークを外した『中華そば 天天有』。
いつものことですが、食べるのに時間がかかることかかること
麺を口に運びかけたかと思うとまた置いて・・・
1時間粘りましたが、残りの半分は諦めてもらいました!

そのあと『サーティワン』にいきましたが、アイスだけは食べるのが早い

日差しギラギラのビーチ

雨予報が信じられないほどの晴天で、いやむしろ干からびるほどの日差しで、ビーチには数分いるのが限界でした!

特に姉ポ。ふらふらの体調にくらくらの太陽。
妹ちゃんはこの日もおとなしく無表情
満足しているのはパートナーだけのような・・・

お台場海浜公園の砂浜

この晩、これまでホテルが続いた姉ポは自宅でゆっくり寝たいのに、妹ちゃんは眠れないのかゴソゴソガサガサ
深夜3時には精神の限界に達し、きしむ身体をむりやり起こして
「静かにせんねーーーーー 👿 」
妹ちゃん、またもや怒られながらトイレに連れていかれました。

 

今回は朝出発!木更津の『東京ドイツ村』

東京ドイツ村

昼食を『東京ドイツ村』のBBQにするために、今回は午前中に出発しました。
うちは江東区の湾岸ですが、木更津まではアクアラインを通り1時間もかからないのです。

バーベキューは自発的に食べる

東京ドイツ村のBBQ

平日のドイツ村は閑散。昼食どきにもかかわらず広いBBQエリアには私たちだけでした。
(レストランの方は沢山人がいましたよ)

テラス沿いの2年前と同じ席を確保
ここはBBQソースが美味しいので姉ポはお気に入りです。

妹ちゃんも好きで、ひとくち大に切っておけばひとりでパクパク食べます
パートナー:焼き係。姉ポ:食べる&チョキチョキ係。妹ちゃん:食べる係のチームワーク!

他に人がいないのもよく食べる要因かと。食に集中できるのだと思います。

小動物に悲鳴をあげる小心者

今回はBBQのあとも時間があります。
花を見て、壮大な芝生を横切り『こども動物園』エリアへ

妹ちゃんは、ネズミだかウサギだかわからない小動物が怖くてヒーヒー言ってました。
こんなに小心者だったっけ・・・?

東京ドイツ村のこども動物園

メーメー(ヤギ)にもビビっていましたがしばらくすると慣れた様子。
以前北九州の到津の森で会ったメーメーを思い出したのかもしれません。

お寿司は回転寿司がいい訳

体調ふらふら・くらくらからの睡眠不足で食事の準備をする気力なしの姉ポ。
夜も外食となりました。

自宅近くの『はま寿司』。
パートナーは「もっといい寿司を食べさせてやりたい」と言っていたのですが、素人め!
気兼ねなくお寿司をチョキチョキ(ハサミでひとくち大に切る)できる回転寿司がいいのです。

お寿司は姉妹とも大好きです。
こちらもひとくち大に切っておいてあげれば自発的に食べていました

満足そうな1日でした。

 

予定外の『横浜』ドライブ

横浜山下公園

この2日間は計画していたものの、最後の平日はノープラン。
まさか連日晴天とは。

パートナーの提案で横浜の『山下公園』へ行きました。
そう、東京っ子の彼は海が好きなんです。
工業地帯とはいえ海のそばで育った私たち姉妹は一風景なだけなのですが・・・

感情豊かになってきた横浜湾

山下公園を車椅子で散策。
「海ねー」「うみ」
「お船ねー」「ポー」
「お花よー」「さいたー」
反応を示すようになりました

それまでが無表情でボ〜とした感じだったのは何だったのかしら。
そこで思い当たるコトがひとつ↓

朝、ふたり鏡に向かって、妹ちゃんの髪をドライヤーで乾かしている時、突然「あ!」と声を上げました。くるっと振り返って

妹ちゃん
「姉ポ」ちゃん!

と言ったのですが・・・。いやこれまで私を誰だと思ってたのだろうか。
姉ポもビックリでした。

全然食べてくれない夕食

ハワイアンカフェ|ラ・オハナ

横浜本牧の『La Ohana』で夕飯を食べることにしました。
姉ポはたまに行くハワイアンのお店ですが、妹ちゃんの好きそうなものが色々とあります。

なのに!ひとくちも食べてくれませんでした。
大好きなカフェオレも全く飲まず
おむつも汚れていない。

最後の必殺技、アーンをして食べさせようとしても嫌がる始末でお手上げでした。

豪華な料理たちを前に、暗い夕飯を済ませ帰路につきました。
精神的に疲れました。

 

土日は『おうち』Day

ノンストップで遊びまくった平日が終わり、パートナーはお仕事で留守になります。
姉ポは家のことをゆっくりと、妹ちゃんはおとなしくシール貼り(支援道具を使用)を

歩いて薬局とファミマで買いもの

マンションの車寄せ

おむつのせいか防水シーツのせいか、腰から臀部にかけて少しかぶれ痒がってる様子だったので、妹ちゃんを連れてドラッグストアに薬を買いに行きました。

といっても健常者ならマンションから歩いて30秒ほどの場所なのですが。妹ちゃんにはちょうどいい距離の歩行訓練です。

ドラッグストアお薬と彼女が欲したバンドエイドを購入したのち、その向かいのファミリーマートで「食品を買う」という訓練もしてみました。
商品を選び、レジに持って行く
まぁただそれだけなのですが。

姉ポのテリトリーを歩いている妹ちゃんが嬉しくて、マンションのエントランスでも写真を撮りまくっていたところ、コンシェルジュさんから「おかえりなさいませ」と挨拶されました。恥ずかしい。

姉ポ
何枚も撮ってようやく1枚
目線がくるかどうかなんですよ...

車椅子でスーパーマーケットへ

自身で食品を選ぶ

これもやりたかったひとつで、妹ちゃんと一緒にスーパーへ行きました。

好きなパンは覚えていて、自ら手にとってカゴへ入れていました

普段から一緒にいられたなら、買いものなど社会的な行動の機会をもっと与えたいところです。

衣類を追加

下着が暑そうだったので、夏用のクール素材のものを購入しました。
サイズもわざわざ支援員さんに質問しなくても、今回着替えを預かっているので確認できました。

難関のパジャマ。
薄手の長袖のものが少ないとのことだったので、本人に合わせながら購入。

後日、袖、丈、ズボンの裾を切って郵送しました。
子供服では横幅が入らない、大人では長すぎるという中途半端な体型で苦労します。
ちなみに帽子はベビー用です。

 

バカンスの終わり|北九州市へ帰る

週明け、下りの新幹線に乗りました。

帰りの大移動

最後のブーブー

2年前はタクシーを呼びましたが、時間調整と妹ちゃんの精神状態が難しかったので、今回はパートナーに送ってくれるよう頼んでいました。
東京駅まで10分ほどですが、最後のブーブー(ドライブ)で妹ちゃんの精神も安定しています。

八重洲の駐車場で、優先駐車の場所が満車で彷徨いましたが、普通の場所でも広めに作られているので、乗り降りは余裕でできました。

何度来てもわかりにくい駐車場で、うっかり別のエレベータに乗ると地上には行けず、ヤエチカ(八重洲地下街)に出てしまったり。
今回時間に余裕があったので、管理室のおじさんに確認したら親切に案内しながら教えてくださいました。

だれでもトイレが混雑すぎる件

JR東京駅の待合室近くに「だれでもトイレ」があります。

妹ちゃんは動く新幹線の中でトイレに入るとバカみたいにパニくるので、直前にトイレを済ませておく必要があります。

が、ちょうど私たちの前にベビーカーと一緒に入った女性が、全く出てこないのです。
十分に時間に余裕があったのですが、さすがに焦りが出るほど。

警備員さんに他の誰でもトイレがないか聞いたのですが、ここ1つしかないとのこと。
(JRさん!雑すぎませんか?)

妹ちゃんを落ち着かせながら、中で倒れてるんじゃないかと心配し、もう待つの無理!という時間になったとき扉が開いて、ふら〜とベビーカー女性が出てきました。授乳でもしてたのかなぁ(泣)
過去イチ素早くトイレに座らせ、ダッシュでホームへ向かいました。

最後の最後にこんなに焦るとは。どっと疲れました。

ひとつしかないだれでもトイレ、使用時にはだれかへの配慮が必要ですね。

ご機嫌な帰路の新幹線 ♪

新幹線内からお別れ

2年前東京帰省の帰りの日は荒れて荒れて大変でした。

暴れるだろうと覚悟はしていたのですが、お世話になったパートナーにバイバイをして、座席についてからもご機嫌でした。

姉ポが作って持ち込んだマカロニサラダを食べながら、足をぷらぷらさせ、たまに鼻歌を披露しながら車窓を眺めていて可愛かったです。

マカロニサラダは、品川から食べ始め名古屋を出て食べ終わりました・・・

鼻歌については注意をしませんでした。
ご機嫌な様子ですし、大きな声でもない。
もし他の方に聞こえても、皆おたがいさまの車椅子専用席ですし。

座席について

下り(小倉行)は車椅子専用席を取りました。
それも希望の便とその前後の便は満席で予約できず、1時間遅い便に変更して確保していました。

車椅子専用席にしたのは、下りの場合、多目的室だと座席が進行方向と反対になる(後ろ向きに走行)ため、足が床につかない妹ちゃんには危ないからです。背中も座席背もたれに届かないので不安定なのです。

暴れているときでさえなければ、車椅子専用席の方が、閉塞感のある個室(多目的室)より妹ちゃんに合っている気がしました。

在来線への乗り換え

小倉駅の階段昇降機

小倉駅の階段昇降機|JR西日本と在来線JR九州の移動

今回、新幹線を小倉駅で降りて、在来線で黒崎駅まで行くことにしました。

小倉駅の新幹線ホームでスロープを敷いてくれた駅職員さん(おそらくJR西日本)が、そのまま乗り換え改札にある階段上まで案内してくださいました。
階段の上からは別の駅職員さん(おそらくJR九州)が、在来線まで同行してくださいました。
下調べをしておいて、小倉始発の列車に乗ります。

列車内は私たちが乗ったときには乗客はまばらでしたが、夕方の帰宅ラッシュ時、途中駅で混み始めました。

下車が心配でしたが、車椅子を動かす準備をしていると周囲の方々が少し避けてくださり、到着駅の黒崎では駅職員さんがスロープを置いたので、ストレスフリーで移動することができました。

ひと昔と違い、障がいに対し協力的になったなと感じました。

 

最後のカフェ

タリーズコーヒー

帰りが大移動だけになるのがかわいそうだと感じていたので、本人の機嫌さえよければ寄り道をしようと決めていました

駅隣接のビルにある『タリーズ』で、最後のカフェタイムをすることにしました。

最終日で姉ポにも慣れたのか、駅を出るとおしっこを教えてくれたのでトイレを済ませてからゆっくりと。

地方のいいところ。夜、カフェが空いてる・・・
ケーキもパクパクと平らげたのち、タクシーで入所施設に向かいました。

ギリギリ就寝時間前に到着
療育手帳や保険証など返却物を確認し、妹ちゃんの大冒険は終わり。

珍しく、玄関でずっと手を振ってくれていました。

 

さいごに

妹ちゃんを入所施設に送り届けたあと、姉ポは翌日福岡空港から帰郷すべく、博多へ移動しました。

夜で本数が少なくなったバスにギリギリ乗り損ね35分程の待ち。
黒崎駅では25分後の特急を待ち、さらにその特急は18分の遅延。
博多のホテルにはなんとか日付が変わらない時間に到着しました。へろへろ。

うまくいかなかったけど、妹ちゃんと一緒の時は混乱もなく過ごせたことに感謝です。

次に会えるのは1年後か2年後か。はたまた数ヶ月で再会できるか。
はやくも妹ちゃんロスの姉ポとパートナーです。

東京23区で唯一、基幹センターがない江東区ですが、ビリッ尻ながら本年度(令和7年)に設置予定です。

急に老けた妹ちゃんをこのまま遠方でみてもらうか、姉ポの近くで新しい環境に変更してもらうか(変更するにしてもアテもないですが)本当に悩みどころ。
設置されたら相談に行きます。

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