お盆休み直前。
知人とクラフトビールなぞ飲んでいたら弟くんから着信が。
(弟くんからの着信なんて数年に1回ですぞ!)
こんにちは。姉ポです。
CdLSで最重度知的障がいをもつ妹の成年後見人をしています。

今朝コロナに感染して
黒い吐血をして
救急搬送されてるらしい!
コロナ感染で黒い吐血ってなに?
それまで放置されてたの?
なぜ連絡が姉ポになく弟くんに?
疑問だらけっ!

幸い一命を取り留めましたが、お盆の連休も終わり退院の目処がたったところに急変。
結局、救急搬送先の病院に20日間入院していました。
もくじ
あやふやな説明の救急搬送当日
8月8日。妹ちゃんが救急搬送されました。
タイミングが夕方で終業時間過ぎだったこともあり、急遽弟くんが搬送先に向かってくれました。
搬送先へ到着後、施設の看護師さんから着信
救急搬送に同行してくださった施設の看護師から電話をいただきました。
受け入れ先の病院がみつからず救急要請をしても状況変わらず、今ようやく受け入れが許可され病院へ着いてICUに入ったとのこと。
何が起こったのだろう・・・困)

一生懸命探したのですが難しくて。
本当にすみません!
いや、そこじゃない・・・
受け入れ先については仕方のないことだし、そこはむしろご尽力に感謝しています!
でも・・・そこじゃないです。
搬送先でもらった電話で把握した内容はこのような感じでした。
- 今朝熱があったので検査をしたらコロナ陽性だった
- 黒い吐血をしたので病院を探したが見つからなかった
- 救急要請し、救急車は10分で着いたものの、搬送先をたらい回しにあい2時間
- 現在、意識混濁
後見メモ
詳細を把握しておく必要あり。入所施設では記録をつけてくださっているので、その写しを頂けるようお願いをしました。
現地に着いた弟くんが承諾書・契約書の署名祭り
準備ができる予定入院とは違って緊急時。
病院へ到着した弟くんが、検査の同意書や入院契約や誓約書の諸々手続きを進めてくれました。
搬送時の検査に関する書類
- 吐血あり。どこから出血をしているか調べるため、
造影剤を使った検査の同意書 - 胃カメラ(内視鏡)を入れて止血するため、
鎮静剤を使う同意書
内部にカメラを入れる同意書
入院・治療にあたっての書類
- 身元引受・連帯保証人確認書
- 療養の給付と直接関係ないサービスの利用同意書
- 入院説明確認書
- 入院誓約書
- 入院診療計画書
- 安全な入院生活への説明書(患者・ご家族様へ)
- 看護計画の同意書
- 身体抑制拘束に関する同意書
- 輸血に関する同意書
- 限度額認定オンライン確認の同意
- 入院着レンタルの申し込み書
後見メモ
同意書に署名したり医師からの説明を聞いたりは、親族でないとできません。
搬送時の容態と延命の判断
搬送時はぐったりとかなり弱っていたようです。
高熱で炎症あり。酸素濃度は低く、反応も弱い。
しかし弟くんが病院に着いたころは、目も開いて意識が戻っていたとのこと。
- 蘇生はどうするか
- 気管挿管はするか
など決めなくてはなりませんでした。
弟くんと熱く話し合い決めましたよ。泣)
今後3〜4日は急変を覚悟するよう医師から言われており、血が逆流するようなゾワゾワした気持ちで過ごすことに。
救急搬送当日は、弟くんをはじめ施設の看護師と職員が深夜まで対応してくださいました。
私の方はいつでも移動できるよう荷物のパッキングを。
(とはいえお盆の連休突入直前...)
先の見えない容態と入院生活
コロナ感染と誤嚥性肺炎|治療の方針
レントゲン画像では肺が真っ白になっているとのこと。
嘔吐物を誤嚥したようで、コロナ感染症に加え誤嚥性肺炎とのことです。
感染、吐血、肺炎。同日に引き起こるものなのだろうか・・・
ICU病棟にて、酸素マスク、点滴等による投薬を行います。
あと食事がとれないので水分と栄養分も点滴にて。

アザが増えてかわいそうでした
緊急性が薄い治療は退院後に別の病院へ
検査にて吐血の原因が疑われる影が見つかりましたが、今の一命にはかかわらないとのことで肺炎が回復してから紹介状をいただき他院を受診する運びとなりました。
体が子どもサイズ(頭部は赤ちゃん)の妹ちゃんですが、障がい者特有の歳のとりかたをしています。プラス15歳くらいというのが通説らしいので、家族の認識では65歳のつもりだったのですが、医師によると身体の機能的にはもっと高齢のようです。
子どものように血管や気管が細くて、高齢者のように脆い・・・
退院できて体力が回復したら、消化器科、呼吸器科で腫瘍の検査を受けます。
まずは肺炎を乗り越えなくては!その一心でした。
容態急変、高熱と発疹で退院を延期
自身で呼吸をして酸素濃度を上げることができるようになり、炎症値も下がってきたので退院の見込みがでてきました。
そんなおり・・・
高熱と発疹が出たとのことで緊急対応が。
発疹は全身に出ており顔にまで及び真っ赤。
原因を探ります。
救急搬送先には皮膚科がなく専門的なことがわかりませんでしたが、考えられるのは薬疹。
肺のほうは落ち着いているので、投薬を止めました。
同時に、日常使っていた塗り薬を塗布して様子をみることに。
自宅療養ができないため退院ができない
救急搬送の入院のため、2週間ほどを限度に退院しなくてはなりません。
搬送されたのが皮膚科のない病院だったので、このまま入院しているより転院または自宅療養で皮膚科を受診するようにと言われるのですが、皮膚科で入院できるところってめちゃ稀じゃないですか?
私どもは八方塞がり。
- 転院先がない。
- 入所施設からは帰宅を拒否された。
入所施設としては「熱がある入所者は受け付けられない」とのこと。
医療処置不可の入所施設なので拒否られるのはわからないでもない。 - 保護者宅まではドアtoドアで7時間の移動。病人に強いることはできない。
仮に移動できても支援地から離れた東京で急変したら障がい者を受けつけてくれる病院のあてなし。
病院のソーシャルワーカーさんが入所施設と退院日を調整
病院のソーシャルワーカーが入所施設との間に入って調整の話し合いがなされ、救急搬送先で入院を継続できることになりました。
発疹はの原因はやはり薬疹だったようで、薬を止めたことで徐々に回復してきました。
妹ちゃんも楽になったような表情。
しかし入所施設の都合でさらにあと4日間病院のベッドで過ごすことに。
結果、20日間という長期入院になりました。
後見メモ
どの薬が身体に合わなかったのか看護師に確認。
今後のために、薬名を把握しておく必要があります。
多くの人の支援と、本人の回復力と頑張りで乗り越えられた妹ちゃん。
ありがとうございました。
今回は嘔吐物を誤嚥したらしいのですが、嚥下機能が低下している可能性があるとのことで食事についても注意が必要となりました。
入院中のペースト食から、入所施設ではソフト食というものに移行し、徐々に刻み食へ。
さいごに
お盆の大型連休をまるまる妹ちゃんのことに気を揉んで過ごすことになったこの夏。
蘇生・延命についてなども判断をしなくてはいけなかったので精神的にボロボロの姉ポです。
(弟くんも電話が鳴ると血の気が引いていたらしい)

知的障がい者の医療は、
健常者以上に難しい。
関わった誰もがそう思ったに違いありません。
いつ命が尽きてもおかしくない状況は、日常を突き破って突然やってきました。
医師が言うように、妹ちゃんはもう80歳のおばあちゃんだとしたら・・・
どう最期を過ごさせてあげるか、よりよく考えて早急に行動しなくてはいけないと思い知りました。