永遠の2歳児

当時、6歳まで生きた症例がなかった、コルネリア・デ・ランゲ症候群(CdLS)

2020年7月30日

妹ちゃんの障がいの話をしようと思います。

こんにちは。
生まれつき健康で身体能力が高め、ガラスのハートの姉ポです。
CdLSで最重度知的障がいをもつ妹の成年後見人をしています。

◆    ◆   ◆

妹ちゃん、出産予定日より3ヶ月早く生まれたと、母からは聞いています。

未熟児で先天性異常、すぐに保育器に入れられ、長いあいだ入退院をしていました。
父に連れられ、妹ちゃんに会いに何度も病院へ行ったのを覚えています。
冷たい金属の檻みたいなベビーベッドに、妹ちゃんとマーミーちゃん(大きなぬいぐるみ)がいた。

妹ちゃん入院中

昭和49年8月

姉ポが2歳の頃に実家が新居に移ったのですが、妹ちゃんが退院して初めてこの新しい家に来るという日、すごくすごく嬉しかったです。

家に来た妹ちゃんは、母が毛糸で編んだベストを着ていて、コロンとしていて、ハイハイもすこしできたけど手を添えないと心配で。

 

「6歳まで生きた症例がない」

そう言われていたので、長くても6年の命。祖父母も両親も姉ポも、小さな命が少しでも輝くように、大切に大切に大切に見守りました。

両親は妹ちゃんに手がかかる分、姉ポの相手は祖父母が。
年子なので、もし障がいがなくて同じ学校に通えていたらどんなに楽しかったかと思います。

妹ちゃんは、特殊学級(?)から一般の保育園に1年間行ったあと、小倉北養護学校(北養護)へと進み、奇跡の7歳に!
その年に『弟くん』が生まれます。

養護学校へも元気に通っていましたが、今度は

「20歳まで心臓がもたない」

とのこと。20歳までの命。それでも高校を卒業し、はい、20歳突破!

 

今や『アラフィフ』の妹ちゃんの病名は、コルネリア・デ・ランゲ症候群
Cornelia de Lange、CdLSと略されます。

今は小児慢性特定疾病で、国の指定難病対象疾患とされているようです。
小児慢性特定疾病情報センターさんのHPによると、国内に約4,000人いらっしゃるみたい。

◆    ◆   ◆

姉ポは、妹ちゃん以外の『コルネリアの女の子』に、ひとりだけ会ったことがあります。
妹ちゃんが高校に入学するときに、同じく北養護の小学部に入学してきた女の子です。
これが妹ちゃんとうりふたつ! 超かわいかったです。

見た目の特徴は、こんな感じ。

  • 顔ちっちゃ。小頭症
  • クルンとカールした長いまつ毛がぎっしり
  • ぱっちりおめめ
  • こち亀の両さんみたいに、つながった眉毛
  • 髪の毛量多め
  • とにかく小さい

 

昔は人から聞いた話しか知りませんでしたが、改めてググってみると、あまり知りたくない記述も見えてしまいました。『運動器、感覚器の機能低下』『病気のリスク』など。
実際、妹ちゃんも股関節の骨が砕けてきて、現在は身体障がい者でもあります。

その原因についてはよくわからない。

コルネリア・デ・ランゲ症候群(CdLS)は、---(中略)--- コヒーシン複合体のサブユニットやコヒーシン調節因子であるNIPBLをコードする遺伝子の変異によって起こる。今回、ヒト細胞ではデアセチラーゼHDAC8がコヒーシンの重要な調節因子であることが明らかにされ、HDAC8の機能喪失変異が家系の異なる6人のCdLS患者で見つかった。

出典:nature 

 

ともあれ、妹ちゃんはなにか役目があって、我が家に生まれてきたわけ。
大往生してくれて、ありがとうな。

今はとにかく、元気で、楽しく、のんきで幸せに過ごしていてください。 姉ポ

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