永遠の2歳児

知的障がい者の白内障手術は失明覚悟の大プロジェクト!

2024年1月20日

おそろしく小顔で、小さく細いアゴ。
長くカールした濃いまつ毛に、
ぱっちりおめめが可愛い妹ちゃんでしたが...

姉ポ
『ミスター・ビーン』
みたいな顔になってきたッ!

黒目も離れて...どんどん離れて...
ちょっとこわいです。

その原因のひとつもこれかなぁ?
と思うものが白内障

 

昨年(2023年)白内障の症状が進んでしまい、
医者が言うには、右目の視力ゼロ
まもなく左目も。

入所施設職員さんに様子を聞く限り、
日常生活では見えてるようすだったので、
これまで楽観視してきたのですが。

確かに右の目玉が動いてないんですよ。
義眼みたいな感じ。

 

妹ちゃんの白内障の経緯と、
知的障がい者の白内障手術のリスク、
その難易度の高さについての記録です。

 

妹ちゃん、白内障発症からの経緯

大混乱時、白内障を知らされる

最初に白内障手術の話を聞いたのは、
葬儀当日の父が焼かれている時

家にいる母が吐血したと連絡が入り、
看護師に緊急連絡してるような時ですよ。

「目が悪いのに手術しないなんて虐待だ!」
みたいに医者から言われたのだけど、
この瞬間、命が大丈夫なら優先順位は下!

姉ポ
なぜ今なのだ!?

と医師の配慮のなさにイラついたのを覚えてます。

進行を遅らせる点眼薬は処方なし

突然知らされ、今すぐの手術を勧められた白内障ですが、
それまでなにも予兆はなかったのでしょうか。

一般的には、進行を遅らせる点眼薬が処方されると思うのですが、
妹ちゃんには処方がありませんでした。

入所施設の看護師さん曰く
「診察を受けた時には、すでに点眼薬の効力がない進行度合い」
だったそうです。

日常の様子

目が見えにくいはずなので、
施設生活も危険かもしれない。
職員さんにもお願いし、注意して様子をみてもらっています。

しかし、これまで妹ちゃんはいたって普通。
机から落ちた小さな紙の破片もわかるようでした。

ここ2ヶ月くらいで、食事の食べムラが確認されるようになり、
「色付きの食器を購入した」との報告を受けました。

それにより食べムラが少し解消したようなので、
やはり視力について深刻な問題と考えるときが来たようです。

手術の時期を推し量る

両親の葬儀などで先送りにした白内障手術は、
翌年の2019年を考えていました。

しかし、2019年は
成年後見人となった例の悪徳弁護士とのバトルで
我が家はボロボロの最中。

問題が終結する2020年には、
コロナ感染症が蔓延し、
家族が会うことすらままならず。

そんなこんなで5年が経ってしまいました。

近い未来に手術を考えていますが、
東京ー福岡の大移動に加え、
長期にわたる時間の拘束ですから、
はっきりいって難しいです。

眼科医の見解

大至急、白内障の手術が必要!
と言っていた眼科医。

葬儀や法事でも、妹ちゃんに異変は見られず
目も綺麗な黒色でした。

後日、眼科医に電話アポをとりつけたところ、
その月から眼科医が変わり新しい先生と話すことに。

新しい先生の見解は、

  • 日常生活への影響がみえない
  • 術後の感染により失明の可能性がある

これらのことから、
リスクをとってまで手術はしない方がよい
というものでした。

共感できるものでしたので、
経過観察をすることにしました。

その先生が、今回は手術を勧めてきたのです。

 

知的障がい者の手術・療養期間のリスク

リスク

一般的に白内障は日帰り手術もOKですが
そうはいきません。

手術を理解できない人にとっては
体を拘束されて、目玉をいじくられる拷問。

全身麻酔にて手術を行い、
術後も安定するまで眠らせるようです。

意識が戻ったときに、
目をこすってしまうのが1番のリスク。

もし、目に触れて菌が入ったら
失明することもあります。

そうでなくても、知的障がい者の中には
力の加減がわからず、自ら目を潰してしまう人もいるそうです。

入院と療養期間

入院期間中は、24時間付き添いです。

数日で退院しますが、
安静期間中は入所施設には帰せません

どこか、滞在する場所を確保ずっと付き添います。
その間、通院も高い頻度で必要です。

1ヶ月ほどで問題なければ
施設の方へバトンタッチという運びになります。

診察の頻度、入院期間、療養期間などは
手術をする病院(眼科医)によって異なるそうです。

 

知的障がい者の白内障手術はどこでできるの?

両親の他界後、妹ちゃんはずっと東京で入居できる施設を探しています。
残念ながらいまだに受け入れ先はありません。

保護者は東京在住、本人は九州在住。
手術はどこの病院でするか問題が浮上します。

療育センターの眼科医には、東京の病院を紹介できると聞いていたので、
安心していたのですが、実際は「紹介状は書ける」という意味だったとのこと。

東京で知的障がい者の白内障手術ができる病院探し、
どう動けばいいですか?

  東 京 北九州
病  院 あてもない 紹介してもらえる
入  院

手  術

(姉)
東京 → 北九州の施設

(姉と妹)
北九州の施設 → 東京の病院

24時間付き添いだが、
周囲からの援助が可能

(姉)
東京 → 北九州の施設

(姉と妹)
北九州の施設 → 北九州の病院

単独で24時間付き添い
アウェイ

自宅療養 姉の自宅で療養
(ベッドを福祉レンタル)
できない
通  院 姉の自宅から通院
帰  宅 (姉と妹)
東京の自宅 → 北九州の施設

(姉)
北九州の施設 → 東京の自宅
(姉と妹)
北九州の病院? → 北九州の施設

(姉)
北九州の施設 → 東京の自宅

 

姉ポの自宅がある東京の場合

江東区役所に問い合わせたところ、
「電話帳見て1件1件問い合わせなさい」
とのご回答でした。福祉課がポンコツすぎる...

仮に病院が見つかったとしても、
姉ポは東京ー北九州を4往復。

  1. 診察のため、姉ポが東京から妹ちゃんを迎えに北九州にいく
  2. 妹ちゃんを東京の眼科医で診察に連れていく
  3. 妹ちゃんを北九州に送っていく
  4. 姉ポは東京に戻る
  5. 手術のため、姉ポが東京から妹ちゃんを迎えに北九州にいく
  6. 妹ちゃんを連れて東京の病院に入院する
  7. 退院まで1日24時間つきそいする
  8. 退院できたら姉ポの家で療養
  9. 姉ポの家から病院に術後通院する
  10. 療養期間が終わったら、妹ちゃんを北九州に送っていく
  11. 姉ポは東京に戻る

妹ちゃんの施設がある北九州の場合

九州なら、療育センター隣の医療センターに話を通せるらしいですが、
療養期間を過ごせる場所がありません

所有する空き家を住めるよう改装するには
時間も費用も労力も及びません。

ホテル長期滞在は不自由過ぎ。

ウィークリーマンションは北九州に数がなく
車がなければ身動きが取れない環境です。

そのような状態になるなら、長期で仕事を受注できません。
姉ポの人生に関わりますよね。

 

かといって...姉ポの自宅が療養に向いているわけではないのですが、
生活ができますし、パートナーもいるので不自由はないでしょう。

 

さいごに

このように、
知的障がい者は白内障手術ひとつとっても
健常者には想像がつかないリスクを伴います。

ましてや、
本人と保護者が1,000km以上の距離で隔てられているとなると、
人生かけた大騒動なのです。

これらは、
妹ちゃんが姉ポの近くに住めるようになっていれば、
もっと早くに解決できたかもしれません!

行政、福祉、医療、後見、
全ての制度が機能していない例でもありますね。

姉ポ
支援疲れにムチ打ってでも
妹ちゃんの目が
見えるようになってほしい

 

関連記事

話が違って驚く

永遠の2歳児

知的障がい者の白内障手術|療育センターから聞いてた話と全然違った!医療センター

2024/7/2 2024/5/15    

妹ちゃんの眼科受診をしてきました。小さな妹ちゃんに大人が4人も付き添いをして挑んだのに、本人は受診を大抵抗。ともあれ、白内障の手術をしていただけることになりました。手術・入院の段取りは療育センターで聞いていたものと全然違いました。

病院から拒否

永遠の2歳児

病院たらい回しリターンズ

2024/5/15 2024/4/21    

知的障がい者の手術を理解できない病院関係者たちに、散々なじられて心が折れそうになりながらも、妹ちゃんの視力のために奮闘中の姉ポです。前例のある病院の診察を5月中旬にうけることになりました。

© 2025 成年後見クラブ